英語学習全般


楽して英語を身につける方法 (その3)

英語がスラスラ口から出てくる方法・・・その続き

僕が英会話をなんとか身に付けたいと思っていた十数年前、英語の勉強の仕方に関する本をいろいろ捜して読んでいた。その当時大学を出たばかりで、英語力と言えば英検の2級に合格する程度の力しかなかったのではないかと思う。

ある時古本屋で竹村健一氏の書いた英会話の本を見つけた。その本の本編の始まる前に、評論家の竹村健一と渡部昇一(上智大学名誉教授)が、英会話はどうやったら身に付くかについての対談が載っていた。
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竹村氏は、フルブライトの奨学生でアメリカ留学、英文毎日新聞記者を経て、評論家となり、テレビやラジオで大活躍し、200冊を超える数多くの本を書いている。彼がその英語力を駆使し、英語のメディアや外国の要人とのインタビューなどから貴重な情報を得て紹介していることは既に広く知られるところである。実は竹村氏は、今山ほど出ている英会話本のいわば元祖みたいな人で、東京オリンピックの頃、ちょうど日本人が自由に海外旅行に出られるようになった時分に「これで英語が話せる」といった本を出して話題になり、以降何冊か英会話関連の著書を出している。また渡部氏も最近は歴史や世相に関する著書で数多くベストセラーを出しているが、本職の英語学・英文学でも世界有数の学者である。

その対談では、「日本人は、英語を学校で十年近く勉強しているのにほとんどの人が英語を話せないという現状について 学校で習った英語の知識を口から出るようにするにはどうしたらよいか。」ということについて語っていた。

竹村式英会話本に対して渡部氏は、「竹村さんの本は、白いご飯がつまった弁当箱に入っている梅干のようなものである。」と評した。その心は、「ご飯だけだとなかなか食事にはならないが、梅干一個が入っていると、それが食欲を刺激して白いご飯がどんどん食べられる。英会話で言うと、英語の知識を詰め込む勉強だけでは飽き飽きしてしまうが、そこに竹村氏の本の内容を取り入れると、つまらない、役に立たないと思っていた英語の知識がどんどん活性化され、会話として使えるようになる。」と評価していた。

竹村氏が自著でよく述べていることは、「日本人は、何だかんだ言っても、ある程度英語の文法や単語の基礎知識はある。日常会話というものは、実際には500ぐらいの単語数で十分用が足るものだ。日本語の中に取り入れられているものだけで数千語はあるから、日本人は普通の人でも既に相当な単語を知っているはずだから、コツさえつかめば、英会話は決して難しいものではない。」

全くごもっともだ。

さてそのコツをつかむための練習、僕がその本から学んだ竹村式英会話練習法を紹介したい。これは、パターン・プラクティスとかドリルとかいわれるものだ。


●ドリル練習の例

たとえば、

I go shopping every day.(私は毎日買い物に行きます。)

という文があるとする。何て言いうことのない簡単な文章だ。
これだけ見たら、まさに中学校一年生レベルの文だ。

この基本文を以下のように変化させる練習をする。

①主語を変える。Sheなら動詞に「S」が必要になる

 She goes shopping everyday.

②「everyday(毎日)」をもっと違った時を表す単語に置き換え
 て練習することもできる。「昨日」になったりすれば、当然
 動詞の時制を変化させる必要がある。

 I went shopping last week.

③またこれを否定文や疑問文にも変えてみる。

He didn't go shopping yesterday.
When did you go shopping.

疑問詞は他に「who」や「where」もあるから、これも使って練習する。

特に日本人が苦手なのが、相手に確認を求めるような以下の文だ。

You went shopping this morning, didn't you?
(君、今朝買い物に行ったよね?)
You didn't go shopping this morning, did you?
(君、今朝買い物に行かなかったよね?)

・・・といった要領で、繰り返し練習する。


これは、英語の文型がしっかりと身についていないとなかなかスラスラと出てこない。学校のテストみたいに、紙に書いてあれば解答するのは容易だが、これを何も見ないで自由自在に変化させるのは意外と大変だ。どうしてもすぐ変化させたときの文が頭に浮かばないようなら、まずノートなど書いておいてから練習するという手もある。

慣れてくれば、ぜんぜん記憶に残らないと思っていた英文がだんだん頭に残りやすくなってくるのが分かるはずだ。



●英会話は語学というより反射運動

読んで分かる、紙には書けるではなく、これを頭の中でいちいち考えてからではなく、すらすら言えるようにしなくては、英語は話しているとはいえない。英会話は、語学などと呼ぶほど大げさなものではなく、言ってみればスポーツ、たとえばテニスのようなもので、ボールが飛んできたらそれを反射的に打ち返すだけのことなのだ。

初級の頃は話す英語に間違いも多いだろうが、練習してどんどん正確になるようにしていったらいいのだ。最初は誰でも間違いだらけで当然だ。

また、英会話の初級レベルのうちは、正確に話すつもりでも、どこか違ってしまうということが往々にしてあるものだ。でも間違いを恐れず、どんどん話すほうがいい。

英会話の授業でもドリルをやってくれるかもしれない。だが、こんなのは一人でも出来るのだから、なにもお金をたくさん払って英会話レッスンで一からやるのはもったいない。お金が余ってしようがないという人は、ベルリッツに行って、100万円ぐらい払ってプライベートレッスンを受ければいいかもしれないが、そんな余裕のある人はなかなかいまい。

このドリル練習は、言ってみればテニスの壁打ちみたいなものだ。一人で出来る。単調だが、これが正確に出来ないことには試合(実際の英会話)は出来ない。

外国人と英語を毎日話していれば、こんな練習をしなくとも少しずつ上手くなるとは思うが時間が相当かかる。とくに日本国内ではなかなか難しい。出来たら、この自己練習と実際の会話と併用し、少しでも早くスラスラ英語が口から出てくるようにしてほしい。


●ブロークンで満足しては一生まともに話せない

ブロークン・イングリッシュといって、文法はめちゃくちゃだが、何とか相手に通じさせるという手もある。

例えば、

I shopping today.

と言っても、おそらく相手は察してくれて、「ああ、こいつ、今日買い物に行ったんだな。」と分かってはくれるかもしれない。ただ、ブロークンで満足してしまうと、永遠に英語は上達しない。

また、正確な文法で話せないこによって誤解を招くこともある。(これについてはまた次回)

こうして練習してゆけば、頭にある英語の知識をすべて活性化させ、会話で使うことができる。例文は、教科書の文でもいいし、DVDで映画を見てその中の気に入ったセリフでもいい。


●英会話学校で上手くならないパターン

また英会話学校に通っている人は、レッスンでやるところにあらかじめ目を通しておいて、その文、とくにその課のキーフレーズに当たる文を、前もって一人で練習しておくと、学校では、本当に身についているかどうかの実践テストをすることが出来る。
英会話学校の問題は、レッスンで初めて文を見て、つまりながら、テキストを見ながら、外国人教師、あるいは隣り合っている生徒同士練習をする。まだ身についたかどうか分からない段階で(おそらく身についてはいないが)家に帰って、それっきり復習しないからいつまでたっても初級のまま上達しない。こういうパターンが9割ぐらい占めていることを、英会話教育に以前かかわっていたので知っている。


●オーディオ教材を使って復唱練習

もし、英会話の教材で、CDなどオーディオ教材が付いているものがあれば、以下の要領で練習することをおすすめしたい。ちょっとキツいけど効果は抜群だ。Repetition(復唱)

<例>

録音の声
 A:May I speak to Mr. Bean?
 B:I am sorry, he is out of the office right now.

Aを聞いたところで停止ボタンを押して止め、今聴いた通りに復唱してみる。
途中でわからなくなればもう一度戻って聴き直してからもう一度やってみる。
出来るようになるまで繰り返す。すらすら言えるようになったら、再生ボタンを押して、
Bの文を同じような要領で復唱してみる。

復唱出来るようになったら、A,B文を利用して、上でやったようなドリル練習をやってみる。(主語の入れ替え、目的語の入れ替え、など出来る範囲で。)


●一人練習は密度の濃い練習時間だ

こんな練習をしなくても、海外にいて、外人相手に英語をどんどん話すうちに上手くなる人もいるが、そういう場合も、冷静に分析すれば、生活や仕事の中で、最初のうち、たどたどしく、間違いを繰り返しながら、長い時間かけてドリル練習をしているのと同じなのだ。結局は、話しながら、意識的に正しい文法で話そうと心がけている人だけが上達する。

一見外人とぺらぺら話しているようでも、間違いだらけの英語を話している人によく出くわす。そういう人は、正しく話すそうという意識が欠けていて、通じるからというレベルで満足してしまっているのだ。意識して練習して英語を矯正するようにしないと、おそらくそれ以上はレベルアップはできないだろう。

かえって一人でドリル練習をする方が密度の濃い練習が出来る。なるべくてっとり早く上達して、実践で話せるようにしたらいい。日本にいる場合、どうしても実際に英語を話す時間が不足しがちだから、効率でいったら、自分でこういった練習をするのが圧倒的に効果的だ。

それから、特に初級レベルでは、何か英語で質問されたら、必ずフルセンテンスで答えるよう心がけること。

Do you have a pen? と聞かれたら、

Yes. とだけ答えるのではなく、必ず、

Yes, I do.と答えるようにすること。これが、頭の中で、英文が出来ているかの証明になる。

これも一種ドリル練習の延長だが、英語の文章の構造が頭に染みつくようになるにはこうした心がけも重要だ。


●「声に出して読む」は基本中の基本

ドリル練習は非常に効果的だが、結構疲れるものだ。いまいち気が乗らないときもなると思う。そんな時は、最低テキストの音読だけはすること。何年か前に「声に出して読みたい日本語各<齋藤 孝(著)>」という本がベストセラーになった。著者の講演も聴いたが、国語・外国語にかかわらず、言葉を覚え、きちんと話せるようになるためには、やはり音読を通さなければならない。ましてや、英語は日本語とは、発音、リズム、イントネーションなど全く異なる言語である。特にまだ英語がすらすらと自分の思っているように話せないレベルなら、声に出して自分に文章が染み込むまでやってほしい。単純なことのようだが、これをしっかりやるだけでも、かなり上達出来るはずだ。長い時間する必要はない。毎日20分でも、10分でもいいから続けることだ。「継続は力なり」である。

もちろん、外国人と会ったりして英語を話す機会があれば、間違いを恐れずどんどん積極的に話そう。


●ご飯あっての梅干

最初に紹介した竹村VS渡部対談で、以下のようなことも言っていた。大切なのでこのこともよく覚えておいていただきたい。

「いくら梅干が食欲をそそるといっても、梅干だけじゃあ食事にならない。ご飯が弁当箱にしっかりつまっていないことには。つまりある程度、最低限の英語の知識が頭に詰まっていることが前提のお話なので、そこのところは注意してください。」


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